「つかぬ事をお聞きしますが、
 あなた達はどんな用があってここにいるのですか?」











ルドルフ男子寮門限2時間前、スクール組みの面々+部長の赤澤は
観月の行動を追って駅前のデパートに集まっていた。



「クスクス、こんなとこで会うなん、奇遇だね。」



「そうだ〜ね、奇遇だ〜ね。」



「聞こえませんでしたか?
 何の用があってここにいるのです?」



「そう睨むなよ、俺たちも買い物だ。
 プレゼント選び、付き合うぜ。」



「んふっ、あまり嬉しくありませんが
 仕方ありませんね、まぁいいでしょう。」



「そうだ、観月、ついでだから言っておくけど、
 14日の練習は出られないや。いいよね?」



((いいわけないだろっ!!!)))



「そうですか、木更津くん欠席ですね、分かりました(あっさり)」



((何っ?!))



「あの〜、観月さん・・・、俺も休みたいんですけど・・・。」



「ん〜、では思い切ってその日補強組みは練習ナシと言うことにしましょう。」



「ちょっと待つだ〜ね!!!」



「そうだ!部長は俺だぞ、そんなこと許すはずなかろう。」



「んふっ、補強組を一任されているのは僕ですから、
 部長の許可など必要ないでしょう。」



「観月!!!」



「そうですね、完全に休みにしては予定のない方は辛いと思うので
 自主練と言うことにしましょうか。
 柳沢くん、心置きなく練習に励んで下さい。」



「くそ〜、覚えてるだ〜ね〜。」



「おい、柳沢!待てって。」



「あ〜ぁ、赤澤達行っちゃったよ。」



「柳沢さん泣いてましたね・・・。」



「クスクス、ああ見えて寂しがりやだからね。」



「木更津くん、後でちゃんとフォローしておいてくださいよ。」



「僕が?!!どうでもいいよ。」



「こちらは構いませんが、
 意外と根に持つと思うので嫌がらせには注意が必要になるでしょうね。」



「嫌がらせって・・・。」



「あぁ、大丈夫だよ、どうせ大したこと出来ないから。」



「木更津くん酷いですね・・・。」



「そう?
 それより14日さん部屋に呼んだら?
 僕どうせ寮には戻らないつもりだし。」



「あまり詮索はしませんが、程々にしてくださいね。」



「クスクス、期待を裏切るようなことはしないよ、多分ね。」



「お願いしますよ。」



「俺さんって見たことないんですよね。
 噂の彼女ですよね?」



「そんなに噂になってましたか?」



「そりゃもう俺の学年でも大騒ぎになってましたから。」



「んふっ、それはよかった。
 うちのクラスまでくれば、いつでも僕のを見せてあげますよ。」



「ははっ、何だか観月さん人が変わったみたいですね、
 キバが抜けたと言うか・・・。」



「そうかもしれませんね、といると不思議と穏やかな気持ちになれるんです。」



「何か、色んな意味ですごい人ですね、さんって。」



「んふっ、それはそうと門限も迫ってきていますし、買い物を始めましょう。
 あなた達は何をあげるか決まっているのですか?」



「実はまだ決まってないんですよね。どうもこう言うの苦手で・・・。」



「へ〜ぇ、じゃぁ僕が見立ててあげるよ(くすっ)」
















結局3人が戻った時には門限は大分過ぎていた。

機嫌をそこねた柳沢はこの日、
いつもなら同じ時間に現れる浴場で顔を見せることはなかった。

ホワイトデー3日前の出来事。








更につづく・・・。