「みなさん集まりましたね。
それでは作戦会議を始めますよ。」
ルドルフ学院中テニス部の部室では、
マネージャー観月に召集をかけられたレギュラー陣が肩を並べて着席していた。
「今回の件は、僕の集めたデータでは対応しきれないので、
あなた方に助言をいただこうと思うんです。」
「観月のデータが対応できないなんて、今度の相手は強敵だ〜ね。」
「ん〜、確かに僕にとっては最強の相手ですね。」
「ほう、お前がそうまで言うのだから、よっぽどなんだな。」
「ええ、この件に関しては氷帝の跡部くんあたりは得意分野だと思いましたが、
まったくもって参考になりませんでした。」
「へ〜、どうでもいいけど跡部が参考にならないのに、
僕らの意見が役に立つとも思えないけど。」
「いいえ、
今回ばかりはあなた方のような庶民的な人間の意見が必要なんです。」
「観月さん、庶民的な意見って・・・。」
「そうです、
僕のはお返しにマンションをもらっても喜ぶとは思えませんから。」
「「「「?お返し??!」」」」
「観月、いったい何の話をしているだ〜ね!!!」
「ホワイトデーについてですが、何か?」
「何か?じゃね〜だろ。
そんな事のために俺たちをここに呼んだのか?」
「『そんな事』とはなんですか、
僕にとっては人生初の大切な日なんですよ。」
「クスクス、大袈裟だなぁ。」
「大袈裟なもんですか、
自慢じゃありませんが僕は今まで色んなイベントごとにプレゼントを貰う事はあっても
自らがプレゼントをするなどと言う行為をしたことがありません。」
「それ、おもいっきり自慢だと思うんですけど・・・。」
「とにかく、ホワイトデーと言うイベントは
どのように過ごすのが最善かを知りたいんです。」
「お前、お願いする立場なのに強気だよな。」
「そうだ〜ね、もっと低姿勢になるべきだ〜ね。」
「んふっ、いいんですか?僕にそんなこと言って。
まぁ、どちらにしても赤澤くんと柳沢くんの意見はあまり期待してませんけど。」
「なっなんてこと言うだ〜ね、どう言う意味だ〜ね!!!」
「クスクス、そう言う意味なんじゃないの?」
「淳まで!!!なんだ〜ね、いいだ〜ね・・・。」
「では聞きますが、柳沢くんはお付き合いしている女性がいるのですか?」
「うっ・・・ノーコメントだ〜ね!!!」
「メモ:柳沢彼女ナシ、と。」
「観月、余計なデータだ〜ねっっっ。」
「まぁそんなことはどうでもいいので、本題に入りましょう。
木更津くんは今までホワイトデーはどのように過ごしましたか?」
「そうだなぁ、夜の海辺を散歩しながら星見たり・・・かな。
ものすごく寒いけどね。」
「『星を見る』は中々いいですね。」
「でも観月さんこの辺には海はおろか、星が綺麗に見えるような場所ないですよ。」
「では、そう言う裕太くんはどうですか?」
「俺っすか、だいたい自分の部屋でのんびりってことが多いですね。」
「ん〜、なんだかいやらしいですね。」
「な、何言ってんですか!!!変なことはしてませんよ。」
((((だろうな・・・。))))
「って言うか、裕太もそうだけど、淳!!!いつから彼女いただ〜ね!!!」
「やきもち?」
「ち、違うだ〜ね!!!」
「はいはい、内輪もめは後にしてくださいね。
一応聞きますが、さっきから黙り込んでる赤澤くんは
どうですか?」
「・・・・、自分で選んだプレゼントを渡す、それでいんじゃね?」
「「「「!!!」」」」
「あ、赤澤がまともなこと言ってるだ〜ね・・・。」
「ふ〜ん、普通だけど意外といいんじゃない?」
「そうですね、赤澤のアドバイスって言うのが気に入りませんが、
シンプルでいいですね。」
「イヤなら実行するなよ。」
「まぁ硬いこと言わずに。
今回は仕方ないので赤澤君の案をいただきます。」
「って言うか赤澤部長彼女いたんですか?!!」
「そこに触れるな〜〜〜っ。」
それはルドルフ学院中テニス部の部室内、
ホワイトデー1週間前の出来事。
つづく(?)
あとがき
これドリーム?!って突っ込みは置いといて、
いつ誰がしゃべってるか分かりますか・・・?
しかも最後まで中途半端で申し訳ないっす。
後編に続いてみます(え?)